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by sunsyoku

「食scienceセミナーin Kyoto」

本部の管理栄養士桑原彩です
津の国寮西川恵子、高槻csc長澤美喜子、大丸アップル冨田侑吾で
キャリエールクッキングスクール主催
食scienceセミナーin Kyoto」に参加してきました。

1日目は、2011年ミシュランガイドで3ッ星を獲得された一子相伝京料理なかむらの若主人中村元計氏による実技講習、なかむらでの夕食会、

2日目は和食とフレンチに分かれての調理実習に参加しました。
テーマは「京料理の柔らかい調理と科学」。柔らかさや食材本来の味わいを表現するために、従来の日本料理にはない、科学的な調理法を用いた新しい京料理のテクニックを見せていただきました。

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どの料理も温度や時間の管理にとても気を遣っておられたのが印象的です。調理人のカンに左右されていた料理も、スチームコンベクションや真空調理などの新しい器具や調理法を取り入れ、1分の差、5℃の差が、仕上がりにどれだけ影響を与えるかなどを科学的にデータ化することができるようになったようです。
それなら同じ条件で調理をすれば誰でも同じ料理ができるのでは?と考えがちですが、これらの僅かな差を見逃さず、それぞれの食材に応じた適時適温を見出すことができるかどうかにかかっているのではと思いました。
また固いものをすりつぶしたり液状にした後、ゲル化剤を加えて柔らかい固形物を再生したり、天ぷらの衣にするというやり方も見せていただきました。
液状、ジュレ状、ゼリー状、衣状など食材の原型を留めないこのスタイルは視覚による情報が少ないぶん、香りや風味を強調し、嗅覚を刺激することで食材を感じてもらうという意味合いが強いようです。
料理は五感で感じるといいますが、『最も刺激されるのは五感のうちどこだろう?』という目線で料理を見てみるのも面白いのではと思いました。
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紹介していただいた調理法は料亭ならではのものが多かったのですが、食材の特徴や調理方法の長所・短所を理解し最大限食材を活かすこと、食べたいと思わせるアイディアを生み出す意欲を持つことは私たち集団給食に携わるものにとっても共通だと思いました。
一子相伝の伝統を守りつつも、高齢化などの社会情勢を背景に新しいものを貪欲に取り入れる中村先生のお姿を拝見し、食に関するあらゆる情報に常にアンテナを張ろう!と意識を新たにしました。



1日目夕食の一子相伝なかむら体験
富小路通りに面した仄明るい格子戸を開けると、玄関までの石畳みにたっぷりの打ち水。提灯の光が反射し、夜ならではの華やかさに玄関から期待が膨らみました。
二階のお席には「一子相伝」の扁額。床の間のしつらいなどにも伝統を感じます。
店主の中村先生から食事の説明がありいよいよスタート。
お運びをしてくださる女将さん、仲居さんは全員入り口で丁寧なご挨拶をしてからお部屋に入ってこられます。
さすが三ツ星。

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先付
いくら・かに・大根おろし
大根おろしは洗うと聞き一瞬耳を疑いましたが、大根臭さが抜けるらしいです。たっぷりのいくらに気分も盛り上がります。


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向付
鱧の落し・ぐじの丹波あえ
名残の鱧ですが走りの鱧より今くらいの鱧の方が一番脂が乗って美味しいそうです。
グジと薄切りにして栗を和えてありますが、丹波あえというそうです。
ケンにしている茗荷も南瓜も糸のような細切りで驚きました。


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白みそ雑煮
これがなかむら一子相伝のうちの一つです。
ダシは入れずお店の地下から湧き出る地下水と白みそと辛子のみを使ったお雑煮です。
シンプルな材料で同じ味を保ち続けることは難しいのでしょうね。
想像よりもしっかり辛子が効いていました。


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八寸
松葉に銀杏とむかご・里芋のおかか和え・鴨ロース・子持鮎煮・青菜の菊和え・穴子寿司・栗の渋皮煮
秋を詰め込んだ八寸です。
鴨ロースに乗せてある黒いものは熟成したニンニクです。
熟成させると繊維もなくなり、ジャムのような甘さでニンニクとは思えません。


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碗物
鱧と松茸の湯葉汁
松茸を煮た汁をダシに使っているので、汁にしっかり松茸の風味が移っています。鱧は揚げてありますが、葛で溶いた湯葉汁でしっとりしているため柔らかくいただけます。


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焼き物 ぐじの酒焼き
これもなかむらの一子相伝の味です。
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お酒を塗って焼くことを繰り返しただけのシンプルな料理ですが、運ばれてくる襖の向うからすでに香ばしいかおりが漂って来て、メインの登場に席中が沸きました。
揚げていないので鱗は食べられませんが、残った皮・鱗・骨に昆布のダシをかけて汁をいただきます。
香ばしさという名の調味料は最強ですね。


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ご飯 萩おこわ・手作り柴漬け3種
小豆と銀杏がたっぷり入った季節のごはん。
添えてあるほうじ茶は焙じたてでしょうか?
香りがとてもよかったです。


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デザート 白桃・黄桃・いちじくのコンポートにワインジュレ
果物本来の食感を残すために短い時間でコンポートしてあり、果物のフレッシュさとデザートとしての高級感、両方をいただける一品でした。


伝統は変わらないことと変わり続けることが大事とよく聞きますが、
一子相伝の味を守りつつも、新しい食材や技法を駆使しているお料理をいただき、
まさに今、新たな伝統を作り続けているんだなと実感しました。
by sunsyoku | 2012-09-16 10:00 | カルチャー